訪問看護ステーションの開業は、収益性の高いビジネスとして注目されています。訪問1回あたりの平均収入は約8,000円とされ、効率的な運営により高い収益を見込むことが可能です。また、設備投資が少なく、開業資金を抑えられる点も魅力です。
しかし、近年では競争が激化しており、利用者の獲得やサービスの質の向上が求められます。
そこでこの記事では、訪問看護ステーション開業の収益構造や経営の現状、成功のポイントについて詳しく解説します。
訪問看護ステーション開業は儲かる？
訪問看護ステーションの開業に興味はあるものの、「本当に儲かるのか？」と疑問を持っている方は多いでしょう。医療や介護の需要が高まる中、収益性のあるビジネスとして注目されていますが、実際には収入の仕組みや経営の難しさも理解する必要があります。
ここでは、訪問看護の収益構造や年収の目安、経営の現状について詳しく解説します。
収益の仕組みと年収目安
訪問看護ステーションの収益は、主に介護保険や医療保険からの報酬によって成り立っています。訪問1回あたりの報酬額は、提供するサービス内容や地域によって異なりますが、一般的には約8,000円程度とされています。これを基に、1日の訪問件数や稼働日数を考慮すると、月間および年間の売上を算出できます。
例えば、1日5件の訪問を行い、月20日稼働した場合、月間売上は約800,000円（8,000円×5件×20日）となります。年間では約9,600,000円の売上となります。
ただし、ここから人件費や運営費などの経費を差し引く必要があります。利益率は業界平均で約5.8%とされており、これを考慮すると、年間の利益は約550,000円程度となります。
したがって、訪問看護ステーションの経営者の年収は、事業規模や経営効率によって大きく異なるものの、一般的には数百万円から1,000万円程度とされています。
訪問看護ステーション経営の現状
訪問看護の需要は高齢化社会の進行とともに増加しており、訪問看護ステーションの数も年々増加しています。しかし、その一方で、経営が安定せず廃業に至るケースも少なくありません。2023年度には、新規開設が2,437件、廃止が701件、休止が291件と報告されています。これらの数字から、競争が激化している現状が伺えます。
訪問看護ステーション経営は難しい？
訪問看護ステーションの経営が難しいとされる主な要因として、以下の点が挙げられます。
- 人材不足：看護師の確保が難しく、人手不足に陥るケースが多いです。
- 利用者数の確保：新規利用者の獲得が難しく、稼働率が低下することで収益が圧迫されることがあります。
- 資金繰りの悪化：利益率が低いため、適切な資金管理ができないと経営が行き詰まる可能性があります。
- 制度改定の影響：介護報酬や診療報酬の改定により、収益構造が変動しやすいです。
これらの要因から、訪問看護ステーションの経営は容易ではないとされています。
訪問看護ステーション経営成功のポイント
訪問看護ステーションを軌道に乗せ、安定的に収益を上げるには、単に開業するだけでは不十分です。人材の確保や利用者の獲得、サービス品質の向上、資金管理など、さまざまな経営スキルが求められます。
じじでは、経営を成功させるための実践的なポイントを紹介し、失敗しない運営体制づくりに役立つ視点をお届けします。
- 人材の確保と育成：看護師やスタッフの採用と定着を図るため、働きやすい環境を整備し、適切な教育を行うことが必要です。
- 利用者の獲得：地域の医療機関やケアマネジャーとの連携を強化し、継続的な営業活動を行うことで、新規利用者の確保に努めることが重要です。
- 資金管理の徹底：収支計画を綿密に立て、適切な資金繰りを行うことで、経営の安定化を図ることが求められます。
- サービス品質の向上：スタッフのスキルアップやサービス内容の充実を図り、利用者満足度を高めることで、リピーターや紹介による新規利用者の増加が期待できます。
これらのポイントを押さえ、戦略的な経営を行うことで、訪問看護ステーションの成功につなげることが可能です。
まとめ
訪問看護ステーションの開業は、適切な戦略と経営努力によって収益を上げることが可能です。しかし、人材確保や利用者の獲得、資金管理など、多くの課題が存在します。これらの課題に対して適切な対策を講じ、地域のニーズに応えるサービスを提供することで、安定した経営を実現することができます。